先日、たまたま機会をいただいて「SKYACTIV-VEICLE ARCHITECTURE(Sky -VA)」の説明をマツダの開発者の方から聞くことができました。
私はあまり運転が好きではなかったんですが、MAZDA3を運転するのはけっこう楽しいんです。
それがなぜなのかずっと不思議だったんですが、今回のお話を聞いて「MAZDA3の運転の楽しさってSky-VAのおかげなのかも」と思うようになりました。
うかがったお話を私なりに解釈してまとめてみます。
1 人間のバランス機能
- 人間は歩行している時、無意識にバランスをとっている。
- 具体的には、頭の上下の揺れを約5cmに抑え、周期的に(サインカーブを描くよう)上下に揺れるようバランスをとっている。
- そのおかげで目線を安定させて歩くことができる。
2 人間のバランス機能を利用して乗り心地をよくする
- 人間は複雑に入ってくる力を体でいなして単純な動きに変換している。
- この人間の優れたバランス機能を車のサスペンションの一部と考えて車を設計。
- これが新しい車両構造技術Sky-VAで、MAZDA3を含む第7世代商品群に採用される技術。
3 人間のバランス機能が働くのはどんな状態か確認してみる
(1) 姿勢
- 人間のバランス機能を発揮させるための一丁目一番地は、「骨盤を立てる」こと。
- 「骨盤が立った状態」では、左右に重心を動かしても難なくバランスがとれる。
- でも、重心を後ろにかけて「骨盤が立っていない状態」にすると、左右の重心のずれに対して全然バランスがとれなくなる。
- そこで「骨盤が立った状態」になるようなシートを開発!
(2) 車からドライバーへの力の伝え方
- ドライバーが車の揺れに対してバランス機能を発揮し、目線が安定するためには、骨盤を立てるだけではなく「力の伝え方」も調整する必要がある。
- タイヤ、サスペンション、シャシーなど力の伝え方を、ドライバーのバランス機能が活かされるように全て調整!
4 おもしろい話が聞けたうえにおまけがもらえた
話を聞いていて、「タイヤ、サスペンション、シャシーなど力の伝え方を調整」というところが、本当にすごいことだと思いました。
セクション同士で連携、調整したらいいって口で言うのは簡単ですが、実際はすごく大変なんですよね…。自分のセクションの中での最適化は、決して他のセクションの最適化ではないことが多いですし。
しかも、開発当初は目指す指標もなく、何度も各セクションが集まって車に乗った感覚で、すり合わせていったそうです。
MAZDA3に乗るときに、自分が上手くバランスがとれるように座れているか、段差やカーブなどでどんな風に力が伝わってくるかということを意識するようになり、運転することがより楽しくなったような気がしました!